ユーラシアパンクめぐり#37 ヴェリコ・タルノヴォ(ブルガリア)

 
広大なひまわり畑を横目に電車はぐんぐん走る。
 
  
 
 
 

次に目指すはヴェリコ・タルノヴォという街。5千年もの歴史がある古都らしい。

 
 
ブルガリアという国が気に入りはじめていた。ビールは安く、メシはうまい、そして都会であってもどこか落ち着いている。
 
だからスタラ・ザゴラという中規模の街で途中下車してみた。安宿があれば泊ればいい。ああ気楽。
 
なんだか京都のように縦横の道路がまっすぐに通る街並みだ。大通りにはカフェが連なり、車道にまでオープンテラス席が乗り出している。たまらずビールと魚のフライを注文してしまう。ちょっと猫にあげた。
 
観光客なんて一人もいない、静かないい街だった。安宿ではなくちょっとリッチなホテルに入って引きこもることにした。こんなに良い部屋はベトナムのフエ以来である。ド、ドライヤーまである……。
 
 
 
翌日(8月15日)、昼2時にスタラ・ザゴラ駅出発、夕方にヴェリコ・タルノヴォに到着。石畳の狭い道を歩く。坂がちなところはちょっと長崎っぽい。
何はともあれ中心部のツーリストインフォメーションに飛び込んだローマンという笑顔が素敵な中年の男性職員が親切に対応してくれた。おすすめのホステルの名刺をもらい、礼を言って出ていこうとすると、
 
「ところで、今日から3日間この街でメタルフェスをやるんだけど一緒に行く?
 
メタルフェス!?!? おおおおっさん!!!行くよ行く行く!!
 
 

なんという幸運。さすがヨーロッパ。バンドサウンドを最後に聴いたのは、カトマンズ以来である。
 
「なんか有名なバンド来るの?」
「最終日だけど、ユーライアヒープが来るよ! 俺は昔からファンだったんだ」
ローマンはうれしそうに言った。
 
 
だが僕は、、、、ダレソレ?? ユウメイ?? 状態。
 
 
Uriah Heep(ユーライア・ヒープ)
イングランド出身のロックバンド。 ブリティッシュ・ロックにおける主要バンドのひとつで、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルらと同様に、ハードロックのパイオニア的バンド。
 
 
さて、これよりヴェリコ・タルノヴォの夏フェス、「MOTO-ROCK FEST」のルポルタージュをお届けしよう。

場所:Sveta Gora Hill

1日目市街地から徒歩で開けた丘に出る。抜群のロケーション! そこには、なんと、革ジャン、タトゥー、グラサン、肥満な男たちと、多種多様なバイクがそこかしこに。初日ということもあって、まだ駐車スペースには余裕がある。
 
演奏内容:Judas Priestのコピーバンド。
迫力なし。ペインキラーやらず。モグリだな。ブレキンザロー。
 
次のプログラムは、なんとストリップショー!!
妖艶な美女が煽情的に踊る。緑や赤、紫と移り変わる照明。大変結構。
 

2日目:18:30から外が騒がしくなる。さてと出かけるか。待ち合わせはツーリストインフォ。
「ローマンくん、あーそーぼ!」
別の職員「待っててね、ローマンいま準備してるから」
「はーい」

演奏内容:Rammstein, Deep Purpleなどのコピーバンド。そのほか、セルビアから遠征してきたバンドも。なんだかなーという感じ。ストリップないんかいボケ

3日目:昼の12時からスピーカーの音が響き始める。バイクイベントらしく、バイクを使ったスタントショーなども行われている。また、郊外にチェックポイントを置いてスタンプラリー的なものも行われている。

演奏内容アイアンメイデンのコピーバンドがやってる時点ですごい数の人。大盛り上がり。なんとかビーストやってた。いよいよトリはユーライアヒープ。一回も聴いたことないけど僕の期待値は上がりっぱなしで、周りのボルテージも最高潮なのでなんかすごくワクワクした。出てきたのはちょいワルおじいちゃんたち。ドラムおじいちゃんの音圧。そしてハイトーンおじいちゃんがすごい! なぜか先代ボーカルおじいちゃんも出てきて、観客は狂ったように歓喜。あまーいロックバラードで終了。
うん、わりと良かった。
 
 
 
と、まあこんな感じ。メタルってかハードロックフェスだね。
 
 
 
ともあれ、ローマンだけでなく色々な人と話せて面白かった。
写真右から2番目、タトゥーだらけのMr.クレヴァーソンは、居住国であるオランダからデカバイクをかっとばしてブルガリアまで来た。ちなみに彼はBuiten Gebruikというハードコアバンドをやっていて、ヨーロッパではそこそこ有名らしい。オランダでの再会を誓った。女の子たちはラトビアの美女2人。かわいい。無邪気。
 
 
なお、フェス2日目の途中で、ローマンと一緒に城壁のライトアップショーを見に行った。だって無料にしてくれるっていうんだもん。見晴らしのいい特等席に座り、街を囲む中世の城壁が赤や青や緑に照らされる。夜空を切り裂く光線と壮大な音楽。素直に感動した。
 
 
日本の田舎もゆるキャラばっか作ってないでこういうことしたらいいのに。
 
 

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