東南アジアツアー2 ジョホール・バール
シンガポールとの国境で第2の都市にして鬼神エノルの生誕地、ジョホール・バール。
昼の12時頃エノルと、彼のバンドメンバー、ワンがでかい車で迎えに来た。ニーナという、ライブハウスのスタッフも一緒(超絶かわいい)。
楽器を乗っけて、ワンが運転する。まずはsightseeingだ、と田舎道を突っ走る。車窓からは暴力的な緑。人類の歴史は自然との闘いだったことを思い出す。こんなとこで潜んでた日本軍もアメリカ軍も大変だっただろうなー。
2、3時間かけてラムサール条約に登録されているという湿地へ。ここがユーラシア大陸の最南端らしい。ニーナがかわいい。
その後、長い時間をかけてようやく今回の会場Embrace Hallへ。
周辺の道路にはならず者たちが集っている。そして、ニーナから、リンという美女を紹介される。おいおい、二人も相手にできんぞわしゃあ
パンクスたちからの「日本から来たっつっても特別扱いしねーよ」という視線にも慣れっこである。前回のライブで見に染みた。
リハーサルをしてみると、設備は前回より格段に良い。モニターがちゃんとある!でも相変わらずマイク二本!
1番目のバンドはthe D-beatという感じ。普通。2番目、モーターヘッド(へたくそ)、3番目、ラモーンズのコピバン。全部ダウンで弾けよ。
4番目、俺らの予定があとに繰り越され、メタルっぽいんが出てきた。普通。
ここまでで一番盛り上がったのはラモーンズ。みんな拳を振り上げてた。そうそう、客の入りは上々で、50人くらいはいたんじゃなかろうか。
さあFlat Sucks。初っぱなからいつもの耳なし芳一スタイルでニヤニヤしてたら客が寄ってきた。なんだなんだ、って感じ。いい反応です。
Sci-Fi Liarで一気に加速。もうモッシュ始めやがったこいつら!いつもなら俺の動き回るスペースがあるのにそれもなし。人、人、人が入り乱れる。俺らの演奏で。なんだこれは。
「おひるね」。ニーナやリンが楽しそうに揺れている。ポップかと思いきや加速、モッシュ、ダイブ!!!
とにかくこんなに無心に楽しく冴え渡れたのは久々。ベースのかおりんがずっとニヤニヤしてるなんて結構稀ですよ。
そしてライブ中に客の下敷きになって本気で死ぬかと思ったのは初。
Last Song!!って叫ぶと大音量の「えーーー!!!」
これホントにあるんだ……。
何なの? いいの? 俺らだよ?
写真ひっきりなしに撮られるし、しまいにはCDにサインを欲しがる列が……。
とにかくFlat Sucksは、結果を残した。(残念なのかうれしいのか、客も含め一人も写真を撮るどころではなかったようだ。)
すべてが終わり、ライブハウスに布団をしいて寝かせてもらう。
いや、寝れない。
興奮が冷めやらないんだ。目を閉じるとあの歓声が聞こえてくる。
ブッキングライブをダラダラ消化するだけのつまんねー日々は終わったのだ。
「人生で一番良い日かもしれない」と4人中4人が言っている。
いや、俺の一番は彼女とアレした日だ。